出張帰りの羽田空港、ラウンジに入ったのは搭乗まで1時間以上空いていたからだった。
月曜から水曜まで接待三昧。スーツの中は蒸れて、靴も足に馴染まず、私の中はじわじわとストレスで渦巻いていた。
カウンター席の片隣に、若いスーツの男性が座った。
「疲れてますね、顔に出てます」
突然話しかけられて、思わず笑ってしまった。
「え、出てます? 出張明けってバレバレですか」
「僕もです。海外から。……もうちょっと人と喋りたい気分で」
その一言が、すっと心に入ってきた。
15分くらい、取り留めのない話をしていた。
なぜか不思議な安心感があって、彼が飲んでいたウイスキーの香りにも、少し酔ってしまっていた。
「……吸ってこようかな、タバコ」
「ここに喫煙室あるみたいですよ。一緒に、どうですか」
普段なら断っていた。けどこの時ばかりは、自分の中の疲れと、ぽっかり空いた“隙間”が、彼を受け入れていた。
喫煙室は、ほとんど人がいなかった。
ガラス張り、でも外からは中がほとんど見えない設計。
2人でライターを貸し借りして、煙草を吸うふりをしながら、どちらからともなく顔が近づいた。
「……あなた、すごく好みなんですけど」
「……私、最近……ずっと欲求不満で……」
その言葉に、キスが重なった。
壁際に追い詰められ、スカートの裾をまくり上げられる。
「ここ……本当に……?」
「声、抑えれば大丈夫。静かにするから」
ショーツのクロッチを横にずらされて、膣を指で探られる。
「もう濡れてる……っ」
「だって……あなたの声、目線……全部、やばいから……っ」
彼が財布からコンドームを取り出して見せた。
「付けるよ、ちゃんと。……でも、抑えられないかもしれない」
「いいよ……入れて……お願い……っ」
ぬちゅっ、と音を立てて先端が押し込まれ、膣が熱く広がっていく。
「中、狭い……っ、気持ちいい……」
彼の腰がゆっくり前後して、スーツの太ももが私の内ももにぶつかる。
「もっと……突いて……イかせて……っ」
肩を押さえつけられながら、腰を受け入れ、私はこらえきれず絶頂を迎えた。
「出すよ、中で……」
「ゴム、してるから……いいよ……イって……!」
最後、奥まで押し込まれて、びくびくと震える彼の精液がコンドーム越しに注がれているのを感じた。
「……搭乗、そろそろだ」
「うん、私も」
名前も聞かないまま、私たちは別々のゲートへ向かった。
でもあの一瞬、私は“女”に戻れていた。
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