もともと婦人科系には少し悩みがあった。
生理不順、下腹部の重さ、そして――
性交痛。
でも病院に行くのは、正直怖かった。
男の先生だったらどうしよう、とか、
診察台にあがるのも恥ずかしい、とか、
自分でも情けないくらい、考えすぎてしまっていた。
でも、さすがに心配になって、意を決して予約を取ったのが、近くの個人クリニック。
対応してくれたのは、落ち着いた雰囲気の40代くらいの男性医師だった。
「はじめまして。少し緊張しているみたいですが、大丈夫ですよ」
「……はい」
「今日はきちんと診ますからね。リラックスしていきましょう」
その声と目に、不思議と安心感があった。
診察室に通されて、下半身だけ裸になって診察台に座った。
紙の布をかけてくれているとはいえ、内診台に足を開くのはやっぱり恥ずかしかった。
「では、少しだけ触診していきますね。痛みがあればすぐ言ってください」
ゴム手袋をつけた指が、ゆっくりと私の中に入ってきた。
「……少し狭いですね。力を抜いてください」
「っ……はい……」
挿入された指が、奥を探るように動いていく。
でもその動きが、どこか“優しくて丁寧”で――身体が反応してしまいそうだった。
「ごめんなさい、指が少しあたるかも……」
「い、いえ……」
診察はすぐ終わった。
結果、特に異常はなかった。
でも先生は、「性交痛に関しては、筋肉の緊張や経験の問題もあるから」と言って、こう続けた。
「よければ、専門的に“身体の使い方”をアドバイスする方法もありますけど……」
その一言が、妙に残った。
数日後、私は自分から再診予約を入れた。
理由は――もう、自分でもわかっていた。
「今回は、少し実践的な方法も試してみましょうか」
先生の言葉に、私は小さくうなずいた。
それは、完全に“治療”という名を借りた関係だった。
診察台ではなく、診察室の横にある仮眠室のような場所。
「検査着を脱いで、ベッドに横になってください」と言われた。
下着を脱ぐ手が震える。
でも、逃げたいとは思わなかった。
先生は、いつもと同じ落ち着いた声で、
「まずは深呼吸から」と優しく触れてきた。
指が再び私の中に入る。
けれど今日は、明らかに“探っている”だけじゃない動きだった。
「……少しずつ、身体をほぐしていきますね。痛みが出ないよう、ゆっくり」
「……んっ……」
くちゅ、くちゅ、と音がする。
診察じゃないって、わかってるのに――
「先生になら、全部見せてもいい」と思えてしまっていた。
「ここ、ちょっと気持ちよくなってきてますね」
「……っ、そんな……っ」
「筋肉がちゃんと反応してる。悪いことじゃないですよ」
そう言いながら、もう一本、指が増えた。
「あ、あっ……ふ、ぅ……っ」
喘ぎ声が漏れた。
先生の顔を見ると、微笑を浮かべていた。
「うまくほぐれてきてます。……もう、ちょっとだけ先に進めてもいいですか?」
「……はい……」
そのまま、先生は手を引き、ズボンのチャックを下ろした。
私はその瞬間、頭が真っ白になった。
挿入は、ゆっくりだった。
「初めてですか?」
「……いえ……でも、ちゃんとしたのは……」
「安心してください。今日は、ちゃんと覚えて帰ってもらいますから」
彼のモノが、少しずつ私の中に沈んでいく。
指とは違う、太さ、硬さ、熱。
そして……中で広げられる感覚。
「あっ……んっ、は、ふ……っ」
奥に届くたび、内臓が持ち上がるような快感が走る。
「大丈夫です。まだ奥には、もっと気持ちいい場所がありますよ」
「……そこ、触って……」
「ここ、かな?」
その瞬間、私の身体は跳ねた。
ぐちゅ、ぐちゅと音を立てて、中が溶けるみたいに緩んでいく。
「あ、ダメ……もう……っ、イきそう……っ」
「遠慮しなくていいですよ。……ここで、覚えてくださいね」
最後、彼は私の奥に向かって深く押し込んで――
そのまま震えるように射精した。
「……出しちゃった。すみませんね、避妊のことまで考えずに」
「……大丈夫です。安全日だから……」
「次からは、ちゃんとします。けど……」
「けど?」
「まだ、再診が必要かもしれませんね」
私は黙ってうなずいた。
もう、身体は先生の“診察”を求めてしまっていたから。
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