「私、バイだからさ、男でも女でもいけるんだよね」
初めてそれを聞いたのは、大学のサークル飲みの帰りだった。
みんなが解散して、俺と彼女だけになったとき。
道端で缶コーヒーを飲みながら、唐突にそう言ってきた。
「つーか、最近は女の子の方がいいかも。男って雑じゃん?」
彼女――アヤは、少し癖のあるボブヘアで、雰囲気はどこか気だるげ。
でも話すとすごくフランクで、男女問わず好かれるタイプだった。
俺はそのとき、冗談めかして聞き返した。
「じゃあ俺みたいなのは、対象外か?」
「うん、対象外」
即答だった。
「でも、安心して。対象外の男友達って、けっこう大事」
なんだそれ、って笑ったけど、内心ちょっと寂しかった。
俺は、アヤのことを、少しだけ“女として”見ていたから。
そんなアヤが、俺の部屋に転がり込んできたのは、3ヶ月後のことだった。
「シェアハウス出たくなって、でもすぐ入れる部屋なくて、ちょっとだけ泊めて」
「……ほんとに、ちょっとだけな」
「分かってるって。私はそっち方面、興味ないし」
そう言ってニヤッと笑った。
ベッドの横に布団を敷いて、俺はそこに寝るように言ったけど、アヤは勝手にベッドに入ってきた。
「寒いし、そっちの方があったかいし」
「いやいや、おまえ、男女が同じベッドでって……」
「気にするタイプ? てか、私バイだし。むしろ女子と寝る方がエロくなるから」
そう言って笑う彼女を、俺はそれ以上拒めなかった。
夜中、ふと目を覚ましたとき、アヤが背中を向けたまま丸くなっていた。
腕がほんのり触れていて、彼女の体温がこっちに伝わってきた。
その瞬間、なぜか身体の奥がざわついた。
ゆっくりと動いた彼女の腰が、偶然なのか、俺の下腹部に当たった。
その時だった。
「……ねえ」
「……ん?」
「興味ないって言ったけど、嘘だったらごめん」
「……は?」
「ちょっとだけ……気になってた」
振り返ったアヤの顔は、月明かりでうっすら見えた。
「触ってみていい?」
「……おまえ……マジで言ってんの?」
「うん」
彼女の手が、俺の腹に触れてきた。
指先は迷いなく、俺のゴムの部分に沿って、中心を探ってきた。
「……もう、こんなに固くなってるじゃん」
「おまえが……そういうことするからだろ……」
アヤは笑った。
それは、女の子にしか見せないような“その気のある顔”だった。
Tシャツをめくって、彼女の手が俺の胸を撫でてくる。
「男の身体って、女とぜんぜん違うのに……触ると気持ちいいね」
そう言いながら、彼女は自分の服を脱いでいった。
初めて見たアヤの胸は、見た目よりずっと柔らかそうで、乳首がピンと立っていた。
「私さ、いっつも攻める方だから、ちょっとだけ受けたいかも」
「受ける……って、どういう……」
「私が、される側。男の人に。そういうの……アリかなって」
俺は、アヤの腰をそっと押し倒した。
彼女はそれを拒まず、脚を自然に開いて、下着を少しだけずらした。
「中は、ダメだけど……外、舐めてほしい」
そう言って、彼女は俺の後頭部をそっと引き寄せた。
クンニをしている間、彼女はずっと小さく震えていた。
脚をすぼめて、シーツをぎゅっと握って、
「……んっ、そこ、だめ……あっ……イきそう……」と漏らしながら、果てていった。
「……はぁ……やっぱり……男もいいかも」
言ってから、彼女は笑って俺の顔を引き寄せてキスをした。
「次は、入れてみたいかも。……中に」
俺は、黙って頷いた。
目が覚めたのは、窓から差し込む朝の光のせいだった。
隣を見ると、アヤが静かに寝息を立てていた。
Tシャツを着ているけど、肩は半分露出していて、下はたぶん何も履いていない。
昨夜、何度も脱がせて、舐めて、感じさせた身体――その名残が、まだ俺の手に残っている気がした。
「……ん」
アヤが小さく寝返りを打って、俺の方に腕を回してきた。
「……おはよ」
「……おはよう。よく寝れた?」
「うん。……におい、まだ残ってるね。昨日の……」
そう言って、アヤは自分の太ももをくすぐるように撫でた。
「……下、ぐちょってしてた」
「……悪い。ティッシュ足りなかったかも」
「ううん、……それより、すごく気持ちよかった」
昨日、確かに彼女は何度もイった。
クンニで、指で、そして最後は――「入れてみたい」と言われて、挿れてしまった。
バイセクシャルで、女の子が好きだって言ってたくせに、
アヤは俺の中で何度も甘い声を漏らして、最終的には脚を絡めて中に出してほしいとさえ言った。
(でも、それは昨日だけ。酔ってたから)
俺はそう自分に言い聞かせて、少し距離を取るように体を起こそうとした――
その時。
「……もう一回、していい?」
アヤの手が、俺のシャツの裾を引っ張っていた。
「え……」
「昨日だけ、って思ってたけど……朝になっても、またしたくなってる」
「……お前、自分が何言ってるか分かってんのか」
「わかってるよ。私はね、女でも男でも、“気持ちよくしてくれる人”が好きなの。だから、今は……あんたがいい」
アヤの声は、どこか寂しさと甘さが混ざっていた。
そして俺は、また理性を失った。
Tシャツをめくると、昨日と同じ胸が目の前にあった。
乳首はすでに立っていて、舌で転がすと小さく声を漏らす。
「んっ……昨日より、なんか……もっと敏感かも」
指を彼女の下に滑らせると、ショーツの内側がすでに湿っていた。
「……おまえ、濡れるの早すぎだろ」
「昨日の続きだから……ずっと、残ってる感じ」
ショーツを脱がせると、トロっとした愛液が太ももに伸びていた。
朝の光に照らされて、その艶が妙に生々しい。
「……舐めて、ほしい」
彼女の声に応えるように、ゆっくりと舌を這わせた。
「あ……んっ……やば、もう……イク、かも……」
俺は、クンニでアヤを一度イかせたあと、
自分のを握って彼女の入口にあてがった。
「……もういいよ、入れて。昨日の続き……しよ?」
ゆっくり、押し込む。
「っ……ん、やっぱ……おっきい……でも……」
アヤの声が震えて、両脚がまた絡んできた。
中はぬるぬるで、奥までぴったり吸い付いてくる。
「奥、いっぱい当たってる……っ、昨日より……深い……」
腰を打ちつけるたび、ベッドが軋む音が響く。
「……中、に……出して……昨日と同じとこに……」
俺は最後まで腰を打ちつけて、そのまま彼女の奥に精液を流し込んだ。
「あっ……んんっ……出てる……あったかい……」
彼女は腕をまわして、俺をぎゅっと抱きしめてきた。
「……ねえ、また今日の夜も、泊まっていい?」
「……お前、もう完全にうちに住みつく気か?」
「うん。あんたが私の“女”にしてくれるなら、いくらでも」
そう言って笑う彼女は、昨日より少しだけ、優しい顔をしていた。
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