最初はただの介護の仕事だった。
大学を出て、資格を取って、
地元の老人介護施設「○○〇苑」に就職したのが2年前。
最初の1ヶ月は、排泄介助と体位交換だけで毎日が精一杯だった。
でも──
この施設には、誰も教えてくれなかった“もう一つのルール”があった。
「夜勤中の“特別介助”は、慣れてきたら回すからね」
先輩にそう言われたのは、入職して3ヶ月目。
その意味を理解したのは、初めて夜勤に入った日のことだった。
「紗月ちゃん、302号室の佐伯さん、今夜はお願いね」
“お願い”された内容は、こうだった。
夜、寝付けないふりをする老人の部屋へ行き、
ベッドに腰掛けて、手を握り、話を聞きながら──
下半身のシーツの中に、手を滑り込ませる。
「……若い手って、やっぱりええのう……」
佐伯さんの陰茎は、もう勃起とは呼べないほど小さくしぼんでいたけど、
指でゆっくり扱くと、時間をかけて硬くなっていく。
「紗月ちゃんの手、気持ちええよ……」
私は無言で、ひたすら優しく手を動かし続けた。
精液は出なかった。
けれど、佐伯さんは満足そうに微笑んで、静かに眠りについた。
それが、この施設での日常だった。
別の日は──
「口でしてくれると助かる」
80代の男性入居者にそう言われ、
ベッド脇でズボンをずらして、口に含んだこともある。
男性のちんちんは、しおれているのに、敏感で、
口に含むと意外なほどぴくぴくと反応した。
「唾、たっぷりね……そう、それで……ああ……」
口淫の最中、しわだらけの手が私の頭をやさしく押さえてくる。
涙が出そうになるのをこらえて、
私はいつもより深くまで咥え込んだ。
ある夜、ダブルシフトが終わる頃、
別の職員が私に笑って言った。
「ね、最近気持ちよくなってきてない?」
その言葉に、ドキッとした。
実際、舐めてる最中に、自分の下がじんわり濡れていることが増えていた。
愛液が溢れて、ショーツがねっとり貼りつく感じ。
それが快感と連動していると気づいたとき、
私はもう、この施設の“中”の人間になっていた。
昼は清掃と介助。
夜は性的処理と奉仕。
入居者同士の性交も頻繁。
まるで“娼館”のようだと言ったら、
先輩たちは笑って答えた。
「違うよ、“感謝される風俗”って感じ」
私は今日も夜勤に入る。
301、303、306──
あの人たちのリストは、もう頭に入っている。
そして私は、
また誰かのシーツの中に、手を伸ばす。