性知識がないまま、ふたりで探り合うように初めてを迎えた日の話

高校を卒業してすぐ、ふたりで初めてラブホに行った。

セックスに憧れはあった。でも、AVもろくに見たことがなくて、知識は中学の保健体育レベル。

「…ねえ、ほんとにするの?」

「わかんない…でも、してみたいって思ってる。…怖くは、ない?」

「ううん。むしろ…したい。だけど、どうすればいいのか…」

どちらも素直だったし、臆病だった。けれど、そのぶんだけ、ベッドの上の空気は静かであたたかかった。

シャツを脱がせると、彼女の肩が小さく震えた。下着の上から胸を触れても、どう動かせばいいか分からない。ただ、ゆっくりと手のひらを這わせた。

「…どうすれば、気持ちいいのかな」

「たぶん、触れ合うことからじゃないかな…」

抱きしめ合って、肌が重なった。お互い、何かを確かめ合うように、ゆっくりと体温を感じていた。

その夜、知識よりも大切なことがあると、ふたりは知っていく。

お互い、どう触れていいのか分からず、抱きしめたままじっとしていた。

「…キス、してみる?」

「うん」

唇が当たった瞬間、どちらも息を止めていた。舌を入れるとか、音を立てるとか、そういうことは分からなかった。ただ、重ねた唇がじんわりと熱くて、ずっと触れていたくなる。

「…ここ、触ってもいい?」

彼女の脚の間に手を伸ばすと、ショーツの上からでも湿っているのが分かった。

「やだ…濡れてるの…バレちゃう…」

「なんでだろ…触ってないのに、ドキドキして…」

ショーツの中に指を入れると、そこはぬるぬるで、少しだけ熱を帯びていた。彼女は小さく身をよじりながら、指先に力を入れて「変な感じ…でも、イヤじゃない…」と呟いた。

俺も彼女に触れられた。手が震えていたけど、指先が丁寧に扱おうとしているのが伝わってきた。

「…これ、入れるんだよね…でも…」

「怖かったら、やめる?」

「ううん、してみたい。でも…優しくして…」

彼女の中に、ゆっくりと押し当てる。すぐには入らない。ぬるぬるしているのに、膣口がきゅっと閉じていて、俺のを拒むようだった。

「ごめん…痛い…ちょっと…」

「止めようか…」

「ううん…もう少しだけ、頑張ってみる…」

ふたりして深呼吸しながら、ゆっくり、ほんとうにゆっくりと先端が沈んでいった。

「…入った…?」

「ちょっとだけ、でも…うん、いる…中に…」

その瞬間、彼女の目に涙が浮かんでいた。でも、「痛いけど…イヤじゃない。繋がってるの、わかるから…」

ピストンという動きではなく、奥に押し込むたび、彼女が震えて声を漏らす。そのたびに、ふたりで息を合わせるように呼吸していた。

もう、知識はいらなかった。感覚だけで、すべてが伝わっていた。

彼女の膣が、奥の方でやわらかく震えているのが分かった。

「んっ…何か、変な感じする…奥が…きゅんってして…っ」

俺の方も、もう限界だった。

「…出そう…!」

「うん…中で…して。初めては…あなたのがいい…」

言葉の意味をすぐに理解できなかった。でも、拒む理由なんてなかった。

びゅるっ、と熱いものが弾けて、彼女の奥に広がった。「あっ…あったか…中に…いっぱい出てるの…分かる…♡」

彼女は震えながら、俺の背中に腕を回してきた。繋がったまま、ぬくもりが逃げないように。

精液が中から溢れてきて、シーツにぽたぽたと音を立てた。でも誰も気にしなかった。

「…これが、セックスなんだね」

「うん…知識より、全然…すごかった」

ふたりして、まだ繋がったまま、指を絡めた。体液と汗と、浅くなった呼吸とで、お互いの存在を全身で確かめていた。

知識がなかったからこそ、感じ合えたものがあった。恥ずかしさも、戸惑いも、全部混ざって、心に刻まれていった。