あの子は、感情の読めない顔をしていた。
誰かと会っても、喋っても、ほとんど表情が変わらない。
なのに――手を繋いだ時、指先が震えていたのを、俺は見逃さなかった。
「今日は……触ってもいい?」
黙ってうなずく。
それだけなのに、胸の奥が締めつけられるようだった。
服を脱がせていくと、肌は雪のように白く、毛はほとんど生えていなかった。
触れた瞬間、「ひっ……」と小さく吐息がもれた。
太ももを開かせ、顔を近づける。
パイパンのそこに、すでに透明な愛液が滲んでいて、舌を這わせた瞬間――
「んっ……っく……!」
無表情のまま、喉の奥でくぐもった声が響いた。
唇で割れ目を吸い、舌をじゅるじゅると這わせると、「ぬちゅっ…ちゅぷ…っ」と水音が耳に残る。
その音に、彼女の腰がびくびくと跳ねた。
見つめ合ったまま、舐める。視線は外さずに、ずっと。
「……声、出る……でも……止められない……っ」
初めて見た。あの子の眉が、苦しそうに寄せられていた。
舌の動きと音に、感じている。
たったそれだけが、俺にはたまらなかった。
「……挿れて……いい?」
その問いに、あの子はまた黙って頷いた。
太ももを開いたまま、視線だけを逸らさずに俺を見ている。
先端を割れ目に添わせると、もうぬるぬるで、自然と中に吸い込まれていった。
「っ……は、っ……んんっ……」
動かすたびに、くちゅっ、じゅぽっ、ぬちゅっ……と音が響く。
そのたびに、彼女の身体が跳ねる。顔は真っ赤になっていて、なのに唇は噛み締めたまま、声を漏らさない。
正常位。目と目が合ったままの挿入。
視線が離せない。彼女の瞳の奥で、何かが震えてる。
「中……いっぱい当たってる……きつい……でも、気持ちいい……っ」
ぎゅうっと膣が締まってくる。彼女の無表情が、壊れ始める。
「んあっ……イク……イク……だめっ……っ!」
腰を突き上げた瞬間、びゅるっ、と射精した。
膣の中で跳ねた熱が、さらに彼女の絶頂を煽る。
目を見開いたまま、彼女はビクビクと何度も痙攣していた。
無表情だった顔が、涙と喘ぎでぐしゃぐしゃになっていた。
その姿が、忘れられない。
抜いたあと、あの子の膣から、とろとろと精液が流れ出た。
白く、温かい液が太ももを伝って、シーツに染み込んでいく。
彼女は肩で息をしながら、ゆっくり目を閉じた。
その顔には、さっきまでにはなかった表情があった。
「……はじめて、だったの。こんなふうに、顔まで熱くなるの……」
その声が震えていて、なぜか俺の胸がぎゅっと締めつけられた。
静かにキスをした。もう唾液の味も分からないくらい、舌が絡んだあとだった。
でも、彼女は頬を寄せて、じっとそこに居た。
無表情だった彼女が、泣いた。
快感で壊れて、感じたままに泣いた。
俺は、ただ静かに、その涙に触れずに、彼女の頭を撫でた。
音と視線で崩れていったあの夜のことは、たぶんずっと忘れられない。