鍵を閉めて、部屋の明かりを少しだけ落とした。
ここはあたしだけの実験室。
安全で、誰にも邪魔されない。だからこそ、ここでは何をしてもいい――そう決めている。
机の上には、小さな道具たちが並んでいる。
バイブ、ローター、ビデオカメラ、そして温度計やストップウォッチまで。まるで研究者みたいだけど、あたしが探しているのは数字じゃなく、自分の奥の奥にある快感の形。
今日は、少しずつ強さや条件を変えて、自分がどこまで感じられるのかを確かめるつもりだ。
恥ずかしい? そんなの、とっくに置いてきた。ここでのあたしは、自分の欲を真っ直ぐに見ることしか考えていない。
ベッドに座り、まずは服の上から胸を撫でる。
今日はブラもやわらかい素材のものを選んだ。布越しの感覚は、直接よりも淡くて、それが逆に焦らす。親指と人差し指で乳首をつまむと、下腹部がきゅっと締まった。これをストップウォッチで計ってみる。乳首が固くなるまで、17秒。ふふ、ちょっと早い。
次は温度。
ポットで温めたタオルを胸にのせ、温もりがじんわり広がるのを感じながら、反対側には冷たいペットボトルを軽く押し当てる。左右で違う温度が肌をなぞる感覚に、背中がぞくっと震える。頭の中で電流が走ったような感覚――これは予想以上だ。記録用のメモ帳に「温冷刺激、即効性あり」と書き込む。
次に、下半身へ。
今日は最初から下着をつけていない。椅子に腰かけ、足を大きく開くと、ひやっとした空気が濡れた部分に触れる。その瞬間、もう脈が早くなる。
小さなローターをスイッチオン。最弱にして、まずは太ももの内側をゆっくりなぞる。直接触れないのに、振動が神経を通ってクリに届く。…やばい、もう反応してる。
振動を少し強くして、陰唇の外側をくるくると回す。指では絶対にできない細かさで、じわじわと中心を攻められる感覚。思わず腰が椅子から浮いた。
自分の反応を観察するため、鏡を足元に置いて角度を調整する。ローターをクリに直接当てると、表情が変わるのがわかる。目の焦点が少しずれて、口が半開きになる――こうして客観的に見ると、あたしってこんな顔で感じてるんだ。背徳感と好奇心が混じって、胸が高鳴る。
今度は指で中を探る。
人差し指をゆっくり挿し入れると、中はもうとろとろで、指の第二関節まで一気に飲み込まれる。軽く曲げて壁をなぞると、奥の方でピクンと収縮する部分がある。そこを優しく押すと、呼吸が乱れた。
「…んっ…くぅ…」
自分の声が響く。録音アプリで再生すると、思ったよりも高くて、必死な音だった。これもデータとして残す。
刺激の組み合わせを試す時間が来た。
右手はローターでクリを責め、左手の指二本で中を前後に動かす。外と中、両方からの刺激が重なって、あたしの体はもう止められない。腰が勝手に前後に動いて、椅子がわずかに軋む音が耳に届く。
視界の端が暗くなり、代わりに全身に熱が広がっていく。
何度も波が押し寄せ、そのたびに声が漏れる。快感の山を登り切った瞬間、足が震えて椅子からずり落ちそうになった。
「っ…あぁ…!」
体を丸めたまま、しばらく呼吸が整わない。胸も下腹部もまだ脈打っている。
息を整えながら、ふと笑ってしまう。
こんなふうに、自分の体を相手に見せるように観察して、記録して、それでもなお興奮できるなんて――やっぱり、あたしは変態だ。でも、それを恥じる気はない。だってこれは、あたしが選んだ楽しみ方だから。
最後にシャワーを浴びながら、今日のデータを頭で整理する。
温冷刺激の効果、ローターの振動パターン、指の動きと絶頂までの時間。全部が、あたしの欲望の地図になっていく。
そして、次の実験の構想がもう浮かんでいる。
次は、香りと音を加えてみよう。嗅覚と聴覚を同時に刺激したら、どんな反応が出るのか――それを試すのが楽しみで仕方ない。
この実験室は、あたしの欲を肯定する場所。
誰に許されなくても、誰に見られなくても、あたしはあたしを追求していく。
変態だっていい。
だって、それがあたしの、正直で、責任ある楽しみ方だから。