義妹の部屋で──バレたら終わりの匂いと熱

夜、廊下は薄暗く、壁に掛けた時計の秒針の音だけが響いていた。
義妹の部屋のドアが、ほんの数センチだけ開いている。
覗いた瞬間、視覚が制服のスカートと、その上に無造作に置かれたショーツを捉えた。
淡い色の布地、クロッチ部分だけ色が少し濃い。

近づくと、空気が変わった。
柔軟剤の甘い香りに混ざって、皮膚と汗と、少し鉄っぽい湿った匂い──
嗅覚がその混ざりを認識した瞬間、心臓のリズムが速くなる。
これは“昨日の彼女の中”の匂い。
触れたら終わりだとわかっているのに、指先が勝手に布へ伸びていく。

布は表面が乾いているのに、指で押し込むと内側にほんのりと湿りが残っていて、
その熱が指先から掌、そして背中へと這い上がる。
触覚がそれを“生身”だと錯覚して、脳内で太ももや鼠径部の映像が勝手に再生される。

耳の奥では、自分の呼吸音がやけに大きく響き、
それに混ざって廊下の遠くからかすかな床のきしみ音。
聴覚が「危ない」と信号を送るのに、嗅覚と触覚が理性を押し流していく。

ショーツを鼻に押し当てる。
一気に立ち上がる甘くて濃い匂いに、内臓がギュッと縮まり、
膝の間が熱くなって粘りを帯びていくのがわかる。
片手はそのまま、自分の下着の中へ──
冷たい指先が、自分の熱と濡れに触れた瞬間、全身がびくんと跳ねた。

腰を前に押し出すたび、布越しに水音がくぐもって響く。
香りが肺の奥まで入り込み、胸が締めつけられる。
「バレたら……」
その想像が怖さではなく、快感を急激に膨らませる。

足首から力が抜け、ベッドの端に膝をついてしまう。
義妹のショーツを握りしめたまま、腰を早く動かす。
鼻腔にこびりつく匂いと、指先にまとわりつく濡れの粘度が、
脳の奥の“理性のスイッチ”を完全に壊していく。

そして──
ドアの隙間の向こうで、足音が止まった。
呼吸を止めても、心臓の鼓動が全身に響いてしまう。
数秒……いや、もっと長く感じた沈黙のあと、足音は遠ざかっていった。

その瞬間、安心と恐怖と背徳が混ざり合い、
身体の奥から波のような絶頂が押し寄せた。
腰が勝手に突き上がり、喉から声が漏れそうになるのを必死で噛み殺す。

終わったあと、ショーツはわたしの吐息と匂いで濡れていた。
床に手をついたまま、荒い息を整えながら、
「またやる」──そんな言葉が、頭の奥でくっきりと響いていた。