私の仕事は、性の介助者だ。世間では「奉仕」とか「献身」とか綺麗な言葉で語られるけど、私の中でそれは、人間の最も根源的な欲求を、最も倫理的なフリをして満たす行為だった。
その日、私が担当したのは、ミスター・タケダ。もう70代で、身体の自由はほとんど利かない。いつも私に優しい目を向けてくれる、穏やかな人だ。彼の世話をすることは、私にとって心の安らぎだった。
夜の巡回。彼の部屋に入ると、温かい空気が私を包む。まず、オムツ交換。手袋をはめ、彼の弱った身体を横に向ける。この瞬間、私は完全に「介護者」だ。優しさ、清潔さ、尊厳。それだけが私の世界を支配する。
オムツを外し、古くなった皮膚を拭き清める。その時、彼の痩せた股間に触れた。タケダさんのペニスは、萎びて小さくなっている。性的な衝動なんて、遠い昔のものになったはずの、無力な男の証だ。
でも、その無力さを見た瞬間、私の中の何かが弾けた。
「タケダさん、ごめんなさい…」
私は、反射的にそう呟いた。この言葉は、介護者としての謝罪じゃない。これから彼に対して犯す、最も背徳的な行為への、私自身の魂への言い訳だった。
手袋を外し、私は自分の熱い指で、彼の萎れたペニスに触れた。
「んっ…」
タケダさんの口から、小さく、弱々しい声が漏れた。彼は、抵抗できない。私には、介護者としての絶対的な権限があり、そして、彼という弱者に対する一方的な支配権が、今、性的衝動と結びついてしまった。
私は、彼のペニスを、ゆっくりと、しかし確かな力で、握りしめた。タケダさんの細い腕が、ベッドの上で微かに震える。その震えが、恐怖なのか、抑えきれない快感なのか、私には判別できなかった。でも、その支配的な不確実性こそが、私の興奮を最高潮に高めた。
私の指の中で、彼のペニスが、徐々に、しかし確実に、硬さを増していく。それは、彼の理性が否定しても、肉体が私に服従しているという、最も生々しい証拠だった。
私は、彼の耳元に顔を近づけ、献身的な介護者のフリをしたまま、囁いた。
「タケダさん…あなたは、私に、全てを預けるべきなの。あなたの快感も、尊厳も、全部、私が決める」
その言葉は、支配者の宣誓だった。
私は、彼のペニスを、慈しむように、しかし強く、扱き始めた。彼の身体から、老人特有の体臭と、洗い立てのシーツの清潔な匂いが混ざり合い、異常な背徳感を生み出す。この清い部屋で、私は最も汚い行為に及んでいた。
タケダさんの顔は苦痛に歪んでいるのか、快感に歪んでいるのか、もう分からなかった。ただ、彼の浅い呼吸と、硬くなったペニスが、私に「もっと続けろ」と命じていた。
そして、彼の痩せた股間から、少量ではあるが、熱い精液が、私の指の上に白く、べっとりと付着した。
タケダさんは、弛緩した身体をベッドに沈め、深い安堵のため息をついた。
私は、その熱い精液が、自分の支配の証のように感じた。私は、それを拭うこともせず、そのまま手袋をはめて、何事もなかったかのように、彼の身体を整え、オムツを装着した。
「おやすみなさい、タケダさん。今夜もきれいになりましたよ」
私は、笑顔でそう言って、彼の部屋を出た。
手袋を捨てても、私の指の皮膚には、彼の精液の臭いと、無力な男を支配した快感の記憶が、染み付いて離れない。
私は、献身的な介護者ではない。倫理の境界線を、最も優しいフリをして踏み越える、支配的な女だった。そして、明日も、またこの倫理的なタブーを犯したくなるだろう。