私(シオリ)と兄(ハヤト)は、血を分けた兄妹でありながら、長年二人で暮らしていた。私は、自分が誰ともセックスしたことがない、処女だと固く信じていた。
そんなある日、自分の身体に異変を感じ始めた。お腹が妙に膨らんできたのだ。最初は「太ったのかな」と笑ってごまかしていたけれど、どうにも不自然。食欲よりも吐き気を感じることが増え、身体の重さも増していく。
不安になり、念のためと妊娠検査薬を試した。検査薬はすぐに、はっきりと、二本線の「陽性」を示した。
「妊娠…?嘘でしょ…誰ともしてないのに…?」
頭が真っ白になった。セックスをした覚えはない。なのに妊娠。これは病気か、神の奇跡か。
お腹の膨らみは日ごとに大きくなり、私の身体はもう逃れられない現実を突きつけてきた。病院で診察を受けると、妊娠は中期に差し掛かっており、もう「おろせる期間」はとっくに過ぎていた。
絶望と混乱の中で、私は唯一の家族である兄のハヤトに全てを打ち明けた。
「兄さん、私、妊娠してるの…でも誰の子供かわからない。私、誰ともしてないのに…」
私の悲痛な告白を聞いたハヤトは、一瞬、顔から血の気が引いた後、私の手を強く握りしめた。
「シオリ。…知ってるよ。その子の父親は、この世に一人しかいない」
そして、ハヤトは私に、恐ろしい、そして背徳的な秘密を告白した。
「あの夜、君が寝ている間に、君の性器に僕の体液を入れた」
血縁の罪。無意識下の支配。そして、最も愛する兄による裏切り。
私の身体は、記憶のないうちに、兄のペニスの支配を受け、彼の精液によって孕まされていたのだ。
混乱と怒り、そして絶望的な背徳感が、同時に私を襲った。お腹の子は、私が純粋に信じていた「処女」という虚像を破壊した、兄の罪の証だった。
しかし、時間は絶望を許さなかった。お腹の子は成長し続け、胎動を感じるたびに、私の母性が目覚めていく。
ハヤトは、罪悪感に苛まれながらも、私を献身的に支えてくれた。「この子を二人で育てよう。僕たちの愛の罪を、僕たちの愛の証に変えよう」。
私は、兄の裏切りを赦したわけではない。しかし、お腹の子という不可逆な現実と、ハヤトの献身的な愛が、私の絶望を歪んだ愛の形へと変えていった。
そして、出産の日。
激しい陣痛に耐え、分娩台の上で叫び続ける私の手を、ハヤトは握りしめていた。血と羊水にまみれ、私の性器が裂けるような痛みの末に、私とハヤトの、愛の結晶が産声を上げた。
初めて抱いた、小さく、温かい命。その顔には、私とハヤトの、両方の面影があった。
「セックスをしていないのに妊娠」という背徳的な秘密は、私たち二人だけが知る、究極の愛の形となった。血縁の罪を共有し、その罪を愛に変えた私たちは、誰にも言えない秘密を抱えながら、お腹の子と共に幸せに暮らしていくことを決めた。