きっかけは、ほんの軽い興味だった。
「SM 女性主導 やさしい」とか「初心者歓迎 調教」とか、そんな検索ワードを打ってた自分に、最初は驚いたくらい。
でも、一度「自分もされてみたい」と思ってしまったら、もう止まらなかった。
出会い系のメッセージで最初にやりとりした彼は、写真こそなかったけど、文章が落ち着いてて、無理に会おうともしてこなかった。
数日やり取りを続けたあと、私が「ちょっと興味がある」とだけ打ったら、彼は「無理強いはしない。まず、首輪をつけてあげるだけにしよう」と返してきた。
その言葉が、なぜかすごく優しく感じた。
――で、気づけば、私は駅前の喫茶店でその彼と会っていた。
実際に会った彼は、40代くらい。私よりも15歳は年上だった。
でも、話し方や所作が静かで、威圧感はまったくなかった。
お茶を飲んだあと、「無理そうならすぐ帰っていいよ」とだけ言われて、私は彼のマンションに向かった。
部屋に入ってすぐ、彼は「緊張してる?」と聞いてきた。
「ちょっとだけ」
そう答えると、彼はゆっくりとバッグを開けて、赤い革の首輪を取り出した。
「これを付けてみようか。いきなり裸にはならなくていいよ。服のままで」
私は頷いた。
首元に冷たい金具が触れて、カチャッと音を立てて固定された。
それだけで、足が少し震えた。
「似合ってる」
そう言われただけで、胸の奥がざわついた。
自分の意思で、自分の意志を渡す――そんな感覚。
「しゃがんでごらん」
私は命令通りに、彼の前に膝をついた。
「怖くない?」
「……ちょっとだけ。でも、気持ちいい」
自分の口からそんな言葉が出るなんて思ってなかった。
彼は私の髪をなでて、ゆっくりとブラウスのボタンをひとつだけ外した。
胸が見えるか見えないかのギリギリのところ。
その状態で、「声を出さずに感じてみて」と言われた。
そのまま、彼の手が私の脚の内側を撫でる。
下着越しに指先が触れた瞬間、ビクッと震えた。
「ここ、もう濡れてるね。すごく素直な体してる」
下着の上から、円を描くように撫でられた。
足を閉じたくても閉じられなかった。
首輪に軽く引っ張られる感覚が、逆に快感に変わっていく。
やがて彼は、下着の中に指を入れた。
指先が柔らかい肉をなぞって、じゅわっと熱があふれた。
「潮、出そうだね。初めてかな?」
私は、恥ずかしさと快感で顔が火照っていたけど、何も言えなかった。
ただ、身体が正直に反応していた。
シーツに膝を立てられた状態のまま、彼の指がピストンのように動き始めると、奥の方から、くるものが一気にこみ上げてきた。
「んっ……っ……!」
ビシャッ、と音がした。
「……出たね。ちゃんと出たよ。綺麗だったよ」
彼がそう言って、バスタオルを優しく当ててくれた。
その優しさに、なぜか涙が滲んだ。
「首輪、気に入った?」
「……はい」
それだけ言ったら、また身体の奥がきゅっと締まった。
あの日から、私はもう、普通のエッチじゃ物足りなくなった。
あの人の前だと、素直な犬みたいになれる自分が……ちょっと好き。