深夜三時、鍵のかかる部屋で、顔を出さない彼女と、朝になるまで
地方の駅前。イベント会場の搬出口から、人とケースが引いていく。22時過ぎ。湿った風。荷台の金具がぶつかる音が続く。私はスタッフ証を首から外して、胸ポケットに入れる。手の甲に黒いインクが少しついている。ステージ裏でタイムコ … 続きを読む
地方の駅前。イベント会場の搬出口から、人とケースが引いていく。22時過ぎ。湿った風。荷台の金具がぶつかる音が続く。私はスタッフ証を首から外して、胸ポケットに入れる。手の甲に黒いインクが少しついている。ステージ裏でタイムコ … 続きを読む
土曜の夕方、彼女のアイコンから通話が鳴った。画面の上に「今、家?」とテキスト。私は「外。近い」と返した。ほんとは家にいたけれど、玄関の靴を履きながら階段を降りた。空は薄い雲で、湿度が高い。彼女の住むマンションまで徒歩で十 … 続きを読む