風俗の「私」と、変わらない「日常」
私は、最初からこの世界にいたわけじゃない。「セックスで、お金をもらう」――それはずっと他人事だった。でも、自分の身体で、“知らない男の人”と交わるたび、だんだん、現実の輪郭が変わっていった。 今日のお客さんは、三十代後半 … 続きを読む
私は、最初からこの世界にいたわけじゃない。「セックスで、お金をもらう」――それはずっと他人事だった。でも、自分の身体で、“知らない男の人”と交わるたび、だんだん、現実の輪郭が変わっていった。 今日のお客さんは、三十代後半 … 続きを読む
私がラブホテルで働き始めて、もうすぐ1年になる。 仕事は、部屋の清掃。使われた後の部屋に入ると、そこには、愛の痕跡が残っている。乱れたベッド、床に散らばったコンドーム、そして、甘く、生臭い匂い。それは、愛し合った二人の、 … 続きを読む
私は、二人の男性を、同時に愛している。 一人は、ケン。私と同い年で、優しくて、いつも私を笑わせてくれる。彼といると、心が軽くなって、自然体でいられる。彼は、私の「日常」を満たしてくれる存在。 もう一人は、ユウキ。私より少 … 続きを読む
私の人生は、誰もが羨むような、完璧なものだった。優しい夫、可愛い子どもたち。何不自由なく、満たされているはずだった。でも、夜が来て、家族がみんな寝静まった後、私の中には、どうしても埋められない、深い空洞が残った。 夫との … 続きを読む
彼女と知り合ったのは、近所の公園だった。お互い、子供を連れて遊びに来ていて、自然と話すようになった。 「…うちの子、すごく人見知りで…」 「うちもそうですよ。でも、二人で遊んでるの、見てると可愛いですよね」 そんな他愛の … 続きを読む
私は、シングルマザーになって5年が経った。夫とは、もう顔も合わせたくない。彼の浮気が原因で別れた。だけど、寂しくないと言えば嘘になる。特に、夜になると、一人でいることに耐えられなくなる。息子が横で眠っているのに、私は、ベ … 続きを読む
──子どもが寝た夜の台所。私は、ただ“女”に戻りたかった。 夫とは、もう数ヶ月触れてない。キスも、抱きしめ合うこともなくなった。「母親」としては生きているけど、「女」としては、ずっと死んでる気がしてた。 冷蔵庫の音だけが … 続きを読む
第1章:失われた時を埋めるように(夜1日目)ニュース速報が流れた午後。世界はあと5日で終わると、誰もが信じがたい現実に打ちひしがれていた。私は、ただ一人、部屋のソファに座って、その事実を静かに受け止めていた。 誰にも言え … 続きを読む
日が暮れて、街にネオンが灯り始める頃、私はいつもの場所に立つ。人通りの多い道の、少しだけ影になった場所。ここで、私は夜を過ごす。通り過ぎる人たちは、私を見て、顔を逸らしたり、好奇の目を向けたりする。ほとんどの人は、私がこ … 続きを読む
私は、人付き合いが苦手だった。仕事は黙々とこなせるけど、休憩時間も、終業後も、誰かと深く話すことができない。SNSを見ても、みんな楽しそうで、キラキラしていて、自分だけが置き去りにされているように感じてた。 家に帰っても … 続きを読む
「……ねぇ、今日は……来てくれるよね……?」 私はまた、誰もいない部屋でそう呟いた。薄暗い部屋、カーテンの隙間から漏れる街灯の光だけが、床に線を描いていた。 手元には、いつものバイブ。お気に入りの──私の“彼氏”。 名前 … 続きを読む