時間停止された日常、孕まされる女性たち ―第1話:違和感だけが残る夜―

今日も残業か……。窓の外には、煌めく東京の夜景が広がっている。机に積まれた書類の山をぼんやりと眺めていたら、急に、世界からすべての音が消えた気がした。いや、音が消えただけじゃない。時間の流れそのものが止まったような、奇妙な感覚に襲われた。蛍光灯のジーという低い音、パソコンのファンの音、ビルの外を走る車の走行音…それが一瞬で全部、止まった。頭の中が空っぽになって、まるで夢の中にいるみたい。まぶたが重くなって、意識が遠のいていく。

誰もいないはずの夜のオフィス。時間が凍りついた世界の中で、彼女だけが机に伏せている。制服のタイトスカートは、まるで待ち望んでいたかのように無防備にめくれ上がり、黒いストッキングに覆われた膝が、ひっそりと冷たい空気に晒されていた。俺は、彼女のスカートをさらにめくり上げ、ストッキングを太ももまで引き下ろす。指先で彼女のパンツのクロッチをそっと押さえる。じっとりと湿っている。それは、まるで、彼女の体が、この瞬間のために準備をしていたみたいだった。冷たいオフィスと、彼女の肌の温もりが混じり合う。何の抵抗もなく、指を奥まで挿入すると、彼女の膣は温かく、ぬるぬると絡みついてきた。その感触は、彼女の意識がなくても、体が求めている証拠のようだった。彼女の顔には、一切の感情がない。まるで、人形みたいに。俺は、何度も何度も、奥まで突き入れた。そして、彼女のパンツの中に、温かい精液を全て吐き出した。白濁した液体が、彼女のパンツの中でじわじわと広がり、温かさが、彼女の体温と混じり合っていく。彼女のスカートとストッキングを丁寧に戻し、机の上の書類の位置も、完璧に元通りに整えた。最後に、机のランプだけを点けて、ドアから静かに消えた。

「……あれ?」

気が付くと、机に突っ伏したまま目が覚めた。壁の時計を見ると、思ったより時間が経っていた。「変だな……さっきまで、まだ早かったのに。」なんとなく違和感があって、椅子から立ち上がった。太ももが妙に蒸れている。下着がじっとりと濡れているのに気づき、思わず目を見開いた。「え……?」生理でもない、尿漏れでもない、ただ濡れている。もしかして、うたた寝中に、いやらしい夢でも見て愛液でも垂れたのだろうか?頭がぼーっとして、何も考えられなかった。その夜、シャワーで体を洗っても、その日の違和感だけが、ずっと体に残っていた。

数週間後、会社帰りに何気なく寄ったドラッグストアで、妊娠検査薬を手に取った。半信半疑で試してみると、「陽性」の文字がくっきりと浮かび上がった。「……うそ、なんで?」パートナーもいない。最近は誰ともしていないはずなのに。なのに、お腹の奥がじんわり熱い。信じられなくて、怖くて、でも、それが現実。その夜、オフィスの机にうつぶせていた時に、“何か”にされた気がする――でも、どうしても、その記憶だけが思い出せない。違和感だけが、胸の奥に残されたまま、私の日常は、その夜から、少しずつ壊れていった。

時間停止された日常、孕まされる女性たち ―第1話:違和感だけが残る夜―