「奥さん、あれ今日も持ってきてるの?」
出社してすぐ、彼にだけ聞こえるようにそう囁かれた。
私は小さく笑って頷いた。誰にも気づかれないように、机の下で太ももを閉じたまま。
「バイブ、挿れてるの?」
――そう聞かれた瞬間、指が震えた。
正確には、“今はまだ”挿れていない。でも、鞄の中には朝からずっと入っている。
肌に当たるたび、存在を思い出して、膣がきゅっと疼く。
「…あとで、トイレで入れる」
そう呟く私に、彼はニヤッと笑った。
他の同僚が出社してくる音がして、すぐに普通の表情に戻った彼を見て、ぞくっとする。
この感じが、たまらない。
ーー私は、人妻。
旦那とはもう何ヶ月もセックスしていない。触れられないまま、枯れていく女でいるつもりだった。
でも、彼に見つかった。
たまたま、残業中に私がトイレでバイブを挿れていたのを見られた。
それからだ。彼は私の性癖を知り、そして、肯定してくれた。
午後3時。社内に人が少なくなる時間。
コピー用紙を補充するふりをして、トイレに立つ。
個室に入って鍵を閉めた瞬間、脈拍が跳ね上がる。
「んっ……」
下着をずらして、濡れ始めた膣に、バイブの先端をあてがう。
粘膜がびくびくと反応して、もう我慢できない。
静かに、でも確実に挿れていく。
「あ、ぁ……入った……っ」
音を立てないように息を殺しながら、スイッチを入れる。
「……んっ……くっ、ぅ……っ」
腰が引けそうになるのを壁に手をついて支えながら、私は中で震えるそれに必死で耐えていた。
脳が痺れる。
でも、それが癖になる。
誰にも知られずに、快感を得る。
それが、たまらない。
「……っ、あ……無理……出ちゃ……う」
身体が勝手に痙攣する。
スカートの奥、太ももに滴るほど濡れていた。
達したあと、しばらく動けなかった。
席に戻ると、彼が一枚の紙を私の机にそっと置いた。
そこには、手書きでこう書かれていた。
「今夜、ホテル行こう。あなたの中の全部を、ちゃんと感じさせてあげるから」
私はバイブを抜いたあとも、膣の奥がまだ震えているのを感じながら、首だけで静かに頷いた。
私の昼の顔と、夜の本性。
どっちも、私なんだ。
そして、その全部を欲しがってくれる人に出会えたなら、もう私は……止まらない。