ライブチャットでオナニー・投げ銭で稼ぐ日々

……結局、今夜もこの四角い枠の中でしか、私は「女」になれない。

深夜二時。ワンルームの安アパート、遮光カーテンをきっちり閉め切った六畳間。 リングライトの白い光が、私の毛穴まで剥き出しにする。 パソコンの画面には、数字の羅列と、見知らぬ男たちの欲望が詰まったチャットログが、滝のように流れていく。

「……こんばんは。今日も、会いに来てくれてありがとう」

精一杯の作り笑顔で、レンズの向こう側に語りかける。 マイクの感度を一番高く設定して、私の吐息ひとつ、衣擦れの音ひとつまで拾わせる。 画面の端で、チャリン、という電子音と一緒に「投げ銭」の通知が跳ねた。

「……えっ、そんなに? ……じゃあ、少しだけ、脱いでもいいかな」

私はゆっくりと、肩からブラジャーのストラップを滑らせた。 カメラ越しに、何百人もの男の視線が、私の胸や、少し汗ばんだ脇の下に吸い付いているのがわかる。 チャット欄が、卑猥な言葉で埋め尽くされていく。

「……っ、……あ、……」

マウスを操作して、カメラの角度を下げる。 私は下着を足首まで引き下げて、脚を大きく広げた。 ライトに照らされた私の割れ目が、画面いっぱいに映し出される。 「……見えてる? ……ここ、もうこんなに、濡れてるんだよ」

指先に、たっぷりと透明なローションを塗る。 「ちゅる、……っ、……」 マイクのすぐそばで、指を自分の粘膜に滑り込ませる。 「くちゅ、じゅるっ……」 静まり返った部屋に、私自身の体液とローションが混ざり合う、重たくて卑猥な音だけが響く。

投げ銭の音が、止まらなくなる。 一円、十円、百円。 男たちの興奮が、数字になって私に降り注ぐ。 「もっと、……音、聞かせて、……っ」 チャットの要求に応えるように、私は二本の指を奥まで突き刺して、激しく中をかき回した。

「ぐちゅ、ぱちゃっ、……っ、あ、……っ!」

快感なんて、もう半分も感じていない。 ただ、カメラの向こうの誰かを絶頂させるために、自分の肉体を機械的に動かしているだけ。 でも、指を動かすたびに、自分の愛液がドロドロと溢れ出して、シーツに敷いたタオルの上にポタポタと滴り落ちる。 その生々しい水音が、スピーカーを通して男たちの脳を直接叩いている。

「……っ、あ、……くる、……っ、イッちゃう、……っ!」

私は背中をのけぞらせて、カメラの前でわざとらしく腰を振った。 中から熱い液が噴き出して、指の間をぐちょぐちょに濡らしていく。 画面の中は、お祭り騒ぎのような投げ銭の嵐。 私の絶頂は、彼らにとってはたった数百円の娯楽に過ぎない。

……配信を切った後の、あの急激な、耳が痛くなるほどの静寂。

ライトを消すと、部屋は一気に冷え切った。 股の間には、拭いきれなかった愛液とローションが混ざり合って、ベタベタとした不快な感触だけが残っている。 指についた、自分のあの生臭い匂いを嗅ぐ。

「……あ、三万円」

画面に残った収支合計を見て、私は小さく息を吐いた。 明日もまた、私はこの狭い部屋で、誰とも目を変わせないまま、カメラのレンズに向かって股を開くんだろう。 下着の中に残る、冷めていく湿り気。 それが、私の孤独を金に変えるための、たった一つの道具だった。

これが、私が深夜のチャットルームで繰り返している、誰にも言えない切り売りの記録。