ラブホのゴミ箱漁って、飲んだの──精液って、あたしのご褒美なの

私は45歳。もう、立派な“熟女”って呼ばれる歳になった。

でも、男の精液は……
今でも喉を鳴らして飲みたくなる。

特に、ラブホテルのゴミ箱の中──
使用済みのコンドームに残った、他人の精液が、いちばん濃い。

最初に飲んだのは、38の時。

その日は、誰とも会えなくて、
むしゃくしゃしてラブホの清掃バイトに応募した。

3日目の夜、ゴミ袋に残ってたひとつを開けた。

半透明のゴムの中に、白くて濁ったのが溜まってて、
においが……濃くて、湿ってて、甘かった。

口に含んだ瞬間、頭が真っ白になった。

そこから、週に3回はラブホを“掃除するふり”して巡回する。

ゴムを開けて、ちゅうって吸うのが、癖になった。

一度も会ったことない男の匂いが、
私の舌の上でとろけて、喉に落ちていく。

誰のかわからない。
でも、だからこそいいの。

「これで、私の中に入った」って思うと、
子宮がふるえるの。

最近は、ゴミ箱を漁ってる自分の姿に、興奮してる。

ホテルの洗面所で、片膝立てて、
使用済みのゴムを口に含んでる自分を鏡で見て──

「この女、もう人間じゃない」って思う。

でも、それがいいの。

精液って、あたしにとって“存在を許す薬”なの。

飲んでるときだけ、孤独じゃない。
他人の残りが、あたしを満たしてくれる。

「これで、今日も女でいられる」って思う。

……でも、そろそろ限界かもしれない。

最近は、“出したて”が飲みたくて、
壁の向こうから音が聞こえたら、
終わるのを待って、すぐにゴミ箱を開ける。

中がまだぬるい時が、最高。

指で押して、先端から出てくる精子を、
舌で直接、吸い取る。

……“誰かの中に入る”ってことは、
こういうことなんだと思う。

私はもう、“ゴミ箱の底で恋をしてる”のかもしれない。

愛されたいんじゃない。
愛された“証”を、喉で味わってるだけ。

今日もまた、ラブホの非常口から、こっそり入る。
欲しいのは、名前のない精液──

あたしの存在を、もう一度、喉の奥で確かめるために。