俺は、妻を抱いていた。
ベッドの上、仰向けにした身体に、
ゆっくりと腰を打ちつけていた。
「んっ……、奥、届いて……る……」
あたたかくて、湿ってて、ちゃんと感じてくれてて。
──それだけで、十分なはずだった。
なのに、隣の部屋から──
小さく、くぐもった喘ぎ声が、聞こえ始めた。
同居している、妹。
実家を出てすぐ、少しの間だけ……という話だった。
部屋はドア一枚分だけ離れている。
「ん……っ、あっ……ん、く……」
最初は気のせいだと思った。
けど、間違いなかった。
タイミング的にも……
この音は──そう、“してる”。
自分で。
「……っ、気持ちいい?」
妻が、俺の背中を撫でながら聞いてくる。
「うん……」
でも、返事をしながら、
俺の耳は、隣の部屋に向いていた。
妹の吐息が、壁を通して届く。
くちゅ、くちゅっ……って、
指が濡れてる音まで、なぜか聞こえた気がした。
「んっ……もっと……中……っ」
妹の声が、甘く、溶けていく。
俺の下腹部が、明らかに反応した。
妻の膣の中は、締めつけてきていた。
でも、意識の半分は、隣に引っ張られていた。
「やばい……」
嫁の中にいるのに、
妹の声でイキそうになってる自分がいた。
腰の動きが止まらなくなる。
「すご……今日、激しい……ね……?」
妻は嬉しそうだった。
でも、俺はもう、嫁を見ていなかった。
最後──
射精の瞬間、頭の中で重なってたのは、
妹が「あっ……イッた……」って小さく呟いた声だった。
俺も同時に、嫁の中に出した。
「あぁ……中……んっ……ありがとう……」
嫁の言葉が、遠くに聞こえた。
そのまま、俺は天井を見つめながら、
隣の部屋を思い続けていた。
その夜、妹と目を合わせることはなかった。
けど──
たぶん、俺たちは、お互いの“音”でイッていた。