主婦とサドル

午後の陽光が柔らかく照らす道を、麻里(まり)は自転車で滑るように進んでいた。買い物袋が前カゴに揺れ、その動きは彼女の心臓のリズムに呼応しているかのようだった。

彼女はサドルにまたがった瞬間、微妙な感触がお尻と接触するのを感じ取った。最初は気のせいだと思いたかった。しかし、ペダルを踏み出すたびにその感覚はますます鮮明になり、おまんこにじんわりとした刺激が走るのを否定できなくなった。

「……んっ……」
微かな声が漏れてしまう。周囲には誰もいない住宅街の静かな裏道。その道は麻里にとって小さな自由の通り道であり、同時に欲望の小径ともなっていた。

サドルの硬さが特定の一点に触れると、まるで意志を持っているかのように刺激が伝わってくる。それが腰の奥に熱を生み出し、麻里は自分でも信じられないほど身体が反応してしまうことに驚いていた。

「うそ……やだ……」
彼女は呟きながらもペダルを漕ぐ脚を止められない。スカートの布越しにサドルの形が押し当てられ、ギュッ、ギュッと腰が自然に揺れるたびにクリトリスに刺激が伝わり、喉の奥から小さな吐息が引き出される。

「んっ……ぁ…だめ……」
路地のカーブを曲がるたびにお腹の奥がじんわり濡れていく感覚。買い物帰りの主婦としての顔とは裏腹に、彼女の内側では欲望がふつふつと膨れ上がっていた。

そして――

静かな坂道の頂上で自転車を止め、立ち上がろうとした瞬間、サドルがクリトリスに深く食い込んだ。

「ん、っ……あぁっ……!」

声が漏れてしまった。それでも彼女の頬は火照り、その瞬間を誰にも見られていないことだけが彼女の救いだった。

風が吹き抜ける午後の静寂の中で麻里はハンドルに手をかけたまま小さく息をついた。もうこの道を通るたびにあの刺激を思い出すだろう。あの自分でも知らなかった「秘密の感覚」を――。

一週間後、また同じ時間。麻里は自転車の前で立ち止まっていた。

「……行くつもりじゃなかったのに……」

買い物袋は軽い。今日は特売だけを少し。それでも彼女は無意識のうちにあの“裏道”を選んでしまっていた。

ギシ、とサドルに腰を落とすと瞬間、記憶の刺激が蘇った。

「んっ」

前回と同じ。いや、それ以上だった。身体はもうその感覚を覚えており、スカートの下で肌が敏感に反応しクリトリスが熱を帯びていく。

――わかってる。ここを通ればまた“ああなる”って。

しかし麻里は止められなかった。住宅街の奥へ続く坂道はまるで誘惑のトンネル。誰にも見られていないその事実が逆に彼女の感覚を鋭くする。

「ふぅ……はぁ……」

ペダルを踏むたびにおまんこがサドルと擦れる。わずかに浮いたお尻が上下にゆっくりと揺れてしまう。

「ん……そこ……だめ……ぁ…」

呼吸が浅くなり頬は熱く指先はハンドルを強く握っていた。途中、少し段差のある道。自転車が揺れた瞬間――深くおまんこが刺激された。

「――ぁっ!」

声が出てしまった。慌てて口元を押さえる。しかし……もうだめだ。サドルの形がいやらしく身体に密着して腰を押し返すような感覚が止まらない。

「ぁ……だめ……どうして……」

気づけばゆっくりとブレーキを握っていた人気のない電柱の陰に自転車を止める。浅く吐息が乱れている脚を閉じるとスカートの奥にじっとりとした感触。サドルにまたがったまま彼女は小さく震える。

「またしちゃった……」

罪悪感と快感が雨上がりのように混ざり合っていた。しかし彼女の瞳はどこか潤み、次の刺激を欲しているようだった。

――あの裏道にはもう何度も通ってしまう気がする。

そんな予感と共に麻里は静かに自転車をこぎ出した。

再び訪れた金曜午後。麻里は今日もあの裏道を選んでいた。自分でも理由はわからない。ただ自転車にまたがった瞬間おまんこがサドルを感じた瞬間――

身体が勝手に期待してしまうのだ。

「今日は少しだけ……」

そうつぶやきペダルを踏み出す。

春風がスカート裾をふわりと揺らす。

わかっている通り過ぎるたびにそこが熱くなるサドル固さがじわりと身体奥伝わってくるペダル踏み込むたびあそこ擦れ快感ゆっくり波広がっていく

「んっ……はぁ……」

浅い呼吸。震える手。

それでも彼女の足止まらないやがてあのカーブ――段差場所差しかかる今日は少しだけスピード落とす

ガタン!

タイヤ跳ね「っ……あぁっ!」

深く突き上げる感覚思わず腰くねように反応する。

しかし背筋ゾクリ震えた
「誰かいる?」

振り向く誰もいないしかし何か違ったどこ視線感じた

「気せい……かな……」

そう言い聞かせながら心臓鼓動早まるさっきまでとは違うドキドキ広がる

もしかして見られていた?もし気づいていたら……?羞恥興奮同時に押し寄せる

「ダメこんなのダメ……なのに……っ」

それでも彼女またペダル踏むサドル容赦なくあそこ擦ってくる。

「っ……あぁまた……ぁ…」

声抑えきれなかった指先震える息乱れる自転車跨ったまま彼女カーブ影で小さく震えながら限界迎えかけた。

遠くで鳥鳴き声聞こえる何事もなかった日常流れているそれでも彼女中だけ変わっていた。

そしてふと住宅街向こう二階窓白いカーテン揺れている見えたそこに誰いたのかいなかったのかわからない。

でもその日から麻里あの坂道ただ「近道」と思えなくなっていった。