結婚8年目。
夫は単身赴任で、子供は学校に行ってる。 平日の昼間、家には私だけ。
最初はちょっとだけのつもりだった。
家事が全部終わって、ふとした隙間時間に。 引き出しの奥から出してきたバイブレーター。 夫と使ってたやつだけど、最近は全然使ってなかった。
電池、まだ生きてた。
ソファに座って、スカートをめくって、ゆっくり入れた。
「…んっ」
久しぶりの感覚に、腰が浮きそうになった。
でもそこで気づいた。
今日、スーパーに行かないといけない日だった。
夕方までに子供のお弁当の材料を買わないといけない。 冷蔵庫の中、ほぼ空っぽ。
抜こうとした。
でも…抜きたくなかった。
もったいない、って思った。 せっかく気持ちいいのに。
…このまま行ったら、どうなるんだろう。
頭の中で考えた。 バイブは小さめのやつだから、外からは絶対わからない。 下着でしっかり押さえれば、落ちることもない。 スカートだから、ラインも出ない。
…バレない。
自分に言い聞かせながら、スマホでバイブの設定を確認した。 弱モードにした。
立ち上がった瞬間、「あっ」って声が漏れそうになった。
重力で奥まで押し込まれた。
歩くたびに、微妙に動く。 すごく…やばかった。
エコバッグを持って、鍵を締めて。
外に出た瞬間、風が吹いてスカートが揺れた。 思わず押さえた。
大丈夫。外からは絶対わからない。
商店街を歩きながら、できるだけ普通の顔をした。
でも歩くたびに、じわじわと感じてきて。
スーパーに入って、カートを引いた瞬間、カートの振動が体に伝わってきた。
「…っ」
思わず立ち止まった。
隣のおばさんが「あら、どうしたの?」って顔で見てきた。
「な、なんでもないです」
野菜コーナーから攻めることにした。
きゅうりを手に取って、カゴに入れた。 人参、大根、ねぎ。
普通の主婦。 普通の買い物。
でも下着の中には…。
精肉コーナーに移動した時、スマホが振動した。
夫からのLINEだった。
「今日は帰れないけど、元気にしてる?」
元気にしてる、なんてもんじゃなかった。
「うん、普通だよ」って返した。
送信した瞬間、歩き出したらまた「んっ」てなりそうになった。
口を引き結んで、こらえた。
レジに並んだ。
前のおじさん、後ろのお母さん。 誰も気づいてない。
でも長く並んでるうちに、じわじわと限界が近づいてきて。
足を少し閉じた。 カートの端を握った。
「お客様、どうぞ」
レジのお姉さんが呼んでくれた。
「あ、はい」
声、裏返ってないかな。
バーコードをスキャンする音を聞きながら、なんとか平静を保った。
「1,847円になります」
財布を出す手が、少し震えた。
「お釣り、153円です」
「ありがとうございます」
笑顔。普通の笑顔。
でもレジのお姉さんが、一瞬だけ私の顔をじっと見た気がした。
気のせいだよね。
絶対気のせいだ。
エコバッグを持って、出口に向かった。
自動ドアを出た瞬間、外の空気を吸った。
…バレてない。たぶん。
でもあのレジのお姉さんの目が、忘れられなかった。
家に帰って、鍵を締めて、エコバッグを床に置いた。
もう限界だった。
そのままソファに倒れ込んで、スカートをめくって。
バイブの設定を強にした。
「あっ…!」
今度は我慢しなかった。
誰もいない家で、声が弾けた。
買い物から帰ってきた興奮と、ずっと我慢してた快感が全部混ざって。
あっという間だった。
全身が震えて、足が伸びきって。
しばらくソファで動けなかった。
天井を見ながら、思った。
あのレジのお姉さん、絶対気づいてたよね。
顔が赤くなった。
でも…また行きたいって思ってる自分がいた。