自分の下着の匂いに

彼氏と別れて4ヶ月が経った。

泣いた時期は終わった。 ご飯も食べられるようになった。 仕事も普通にこなせてる。

ただ、体だけが正直だった。

金曜の夜、定時で上がって、スーパーで一人分の惣菜を買って、帰ってきた。

誰もいない1Kの部屋。 カバンを置いて、靴を脱いで、そのままソファに倒れ込んだ。

テレビをつけたけど、頭に入ってこなかった。

なんか…むずむずする。

自分でもわかってた。 こういう感覚、久しぶりだった。

とりあえずお風呂に入ろうと思って立ち上がった。

脱衣所で服を脱いでいく。 シャツ、スカート、ブラ。

最後に下着に手をかけた瞬間、気づいた。

湿ってる。

一日中座ってて、蒸れて、体温で温まって。 指で触れると、生地がしっとりしてた。

なんとなく…手に持ったまま、顔に近づけてみた。

独特の匂いが鼻をついた。

甘くて、少しむわっとした、自分の匂い。 恥ずかしいって思った。 でも頭がぼんやりした。

もう一度、深く嗅いだ。

じんわりと下腹部に熱が集まってきた。

お風呂、後でいいか。

脱衣所から出て、寝室に向かった。 カーテンが閉まってるか確認した。 鍵がかかってるか確認した。 ここには私しかいない。

ベッドに倒れ込んで、天井を見上げた。

手にはまだ下着を持ったまま。

右手がゆっくり、自分の体に向かった。

触れた瞬間、小さく声が漏れた。

思ってたより敏感になってた。 もうびしょびしょだった。

下着を顔に近づけながら、指をゆっくり動かし始めた。

くちゅ、って音がした。

静かな部屋に響いて、自分で出した音なのに恥ずかしくて、でも余計に感じた。

指一本で入口をなぞって、クリトリスに触れた瞬間、腰がびくってした。

「…っ」

声を抑えようとしたけど、無理だった。

下着の匂いを深く吸い込みながら、指の動きを少しずつ速くした。

くちゅくちゅって音が大きくなってきた。 内腿が濡れてきてるのがわかった。

誰かに見られてる想像をした。 顔のない誰かに、この姿を全部見られてる想像。

恥ずかしくて、でもその恥ずかしさが快感に変わってきた。

指が二本になった。

奥まで入れて、前の壁をぐりぐりって押した。

「あっ…!」

思わず声が出た。

腰が勝手に動き始めた。 シーツを左手で握りながら、右手の指を激しく動かした。

くちゅくちゅくちゅって音が止まらなくて。 内腿を伝って、シーツまで濡れてきてるのがわかって。

それでも止まれなかった。

下腹部がじんじんして、足の先まで痺れてきて。

「やばい…イきそう…」

誰に言うでもなく、声が漏れた。

クリトリスを親指で押しながら、指を奥まで押し込んで。

全身がびくんって震えた。

足の先から頭のてっぺんまで、電気が走るみたいに。

しばらく動けなかった。

天井を見たまま、荒い息を整えながら。

手に持ったままの下着を、もう一度だけ顔に当てた。

さっきより匂いが薄くなった気がした。

なんか…笑えてきた。

変態かもしれない。 でも誰も傷つけてない。 誰にも迷惑かけてない。

鍵のかかった部屋の中だけで、私は一番正直で、一番自由だった。

シャワー浴びようと思って立ち上がったら、足がぷるぷるしてた。

壁に手をついて、また笑えてきた。

誰にも言えない金曜の夜。