終電を逃して、なんとなく入った24時間の漫画喫茶。
個室ブースでフラット席を選んで、毛布にくるまりながら横になる。深夜2時。カチャカチャと隣のキーボードを打つ音が聞こえてきて、なんとなく安心する。
(ネカフェって、意外と安心感あるんだよね)
そう思って目を閉じようとしたら、突然――隣のブースから、小さくて湿った音が聞こえてきた。
「ちゅ……ぬち……」
(えっ……? これって……)
耳を澄ます。
リクライニングチェアが軋む音。布の擦れる音。息を押し殺したような吐息。
間違いない。
隣の男、オナニーしてる――しかも、AV音声をイヤホンで隠してるだけ。
私は凍りつきながらも、下腹がジンと熱くなっていくのを感じてた。
(……やば……なにこれ……ちょっと興奮してる……)
自分でも分かってた。
今、私は“それ”を聴きながら、毛布の下でショーツの中に指を入れている。
クリに指先を当てると、もうじっとり濡れていた。
音を立てないように、小さく擦る。
隣と私、壁一枚挟んで、同じことをしている。
その背徳感が、ものすごく気持ちよかった。
数分後。
「……っ、んっ」
思わず、少しだけ声が漏れた。
その瞬間、隣の音が止まった。
(……聞かれた?)
でも、次の瞬間。
隣のブースの壁に、トントン、とノック音。
(……え?)
ノックのあと、低い声でささやくように言われた。
「……聞こえてた。そっちも、してたでしょ?」
私は答えられなかった。心臓がバクバクして、指を抜くことすらできなかった。
「ブース、開けるよ。……入っていい?」
小さく、私は「……いいよ」と言ってしまった。
個室のドアが開いて、背の高い男性が入ってきた。20代後半くらい。
無言のまま、私の顔を見下ろして、そのまま毛布をめくった。
「やっぱり……濡れてる」
ショーツをずらされ、指が膣口に入ってくる。
「……っ、んっ……声、出ちゃう……」
「大丈夫。周りのブース、今誰もいない」
指を2本に増やされて、膣がぐちゅぐちゅ音を立てる。
深夜のネカフェ。蛍光灯の青白い光。静まり返った空間に、水音がいやらしく響く。
「挿れるよ……ここで」
「うん……避妊、しないの……?」
「この状況で、そんな余裕ないでしょ?」
ズボンを下ろし、彼のモノが私の中にゆっくり入ってくる。
「ああっ……深い……っ、でも……いい……っ」
「声、抑えて。俺も、すぐイきそう……」
腰を前後に動かすたびに、膣がキュッと締まり、身体が浮くほど快感が突き上げてくる。
「中で、いい?」
「うん……イって……全部、ちょうだい……」
最後、熱くて濃い精液が膣の奥にびゅくっ、びゅくっと流れ込んで、私は絶頂と一緒に泣きそうになった。
朝、私たちは黙って別々にブースを出た。
それ以来、ネカフェのフラット席を見るたび、あの夜のことを思い出してしまう。
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