大学の文芸サークルで知り合った穂乃香は、目立たない子だった。
いつもひとりで本を読んでて、しゃべっても声は小さくて、でも目だけはやたらよく動く。
俺は密かにその観察力が好きだった。
飲み会の帰り道、終電を逃してふたりでネカフェに入った。
同じブースで横並びに座ってたとき、ふと穂乃香が聞いてきた。
「……ねぇ、変なこと聞いていい?」
「なに?」
「……男の人って、女のナプキンとか……汚いって思う?」
突然すぎて、言葉に詰まった。
「いや……人によるんじゃない?」
穂乃香は一拍置いてから、バッグの中から小さなジップ袋を取り出した。
中には、薄いピンクの布――否、使用済みの生理用ナプキンが丁寧に折り畳まれて入っていた。
「……私、こういうの集めてるの。自分のも、他人のも。においとか、経血の量とか……観察するのが好き」
そう言って、袋をそっと俺の膝の上に置いた。
「引いた?」
「……いや。興味はあるかも」
自分でもなぜそう答えたのかはわからない。
ただ、穂乃香の瞳がそのときすごく潤んでいたから、嘘はつけなかった。
彼女は小さく笑い、ポーチから新しい未使用のナプキンを取り出した。
「……ねぇ、私、今ちょうど3日目。…ここで、替えていい?」
「……ここって、トイレじゃないぞ」
「でも、見たいんでしょ?」
ズボンの中で反応していたのを、穂乃香はすぐに気づいた。
カーテンを引き、彼女はスカートをまくり、
下着の中に手を入れてナプキンをはがすと、粘りつくような音がわずかに響いた。
「まだあったかいよ。……匂い嗅いでみる?」
渡されたソレは、ほんのり甘く、少し鉄っぽい体液のにおいが混ざっていて、
生々しくて、興奮が爆発しそうだった。
「ここに……出してみて。私の経血の上に、あなたの精液。重ねてみたい」
穂乃香はそう言って、膝の上でナプキンを広げ、俺のベルトに手をかけた。
しごかれるたびに彼女の目が熱を帯び、
「混ざってくる……すごい、真っ白になってく……」と恍惚とした顔で見つめていた。
吐き出す瞬間、彼女が自分の指でその白と赤の混ざったナプキンをなぞっていたのが、今も脳に焼きついている。
「また、集めてくれる? あなたのも、私のも」