大学の夏休み、時給が良いというだけで始めたビジネスホテルの清掃バイト。
慣れてくると、チェックアウト後の部屋なんて流れ作業みたいなものだった。
ある日、ひとつの部屋で――
ベッドの下から“落とし物”が見つかった。
丸めて脱ぎ捨てられたような、レースのピンクのパンティ。
一瞬、息が止まった。
清掃員としては、フロントに届けるのがマニュアル通り。
でも、その日はなぜか手が止まった。
持ち上げた瞬間、ふわっと香りが鼻先に触れた。
甘くて、どこか生っぽくて、明らかに女の“使用感”が残っていた。
――誰かがこの中に体を包み込んでいた。
想像が止まらなかった。
どんな女だった?
どんな風に脱いだ?
誰と、どんな風に抱かれたあとだった?
気づけば、その下着をそっとポケットに入れていた。
“落とし物はなかった”――そう記入して、作業を終えた。
帰宅後、ひとりになるのを待って、
丁寧にジップ袋に入れてあったそれを取り出した。
レース越しに見えるクロッチ部分は、
わずかに色が濃くなっていて、しっとりしていた。
鼻に当てた瞬間、電流のような快感が走った。
「……誰の匂いかも知らないのに……なんで、こんなに興奮するんだよ……」
部屋に誰もいないのを確認して、
そのパンティを握ったまま、ズボンの中に手を入れた。
頭の中では、女が喘ぐ声と、
この下着を穿いていたであろうとろけた身体のイメージだけがぐるぐる回っていた。
自分のものをそのクロッチに擦りつけながら、
何度も嗅ぎ、何度も想像した。
最終的に、そのままパンティにかけてしまった。
熱が収まっても、下着からは微かに彼女の匂いが残っていた。
罪悪感は、あった。
でも、それ以上に、たまらなく背徳的で、病みつきになる感覚だった。
次の日から、落とし物がないか――
ベッドの下を覗くのが日課になった。