福祉系の大学に通っていた頃、実習先で出会ったのが、真衣さんだった。
脊髄損傷で車椅子生活。年齢は30代前半、スラッとした長い髪と、クールな雰囲気。最初は言葉数も少なくて、正直ちょっと怖かった。でも、食事やトイレ介助を何度も一緒にやるうちに、少しずつ話してくれるようになった。
「ねえ、○○くんって……彼女いるの?」
不意にそう聞かれたのは、2ヶ月くらい経った頃だった。
「いないです。恋愛とか、今はちょっと遠いというか……」
「ふーん。そういうの、我慢できる人なんだ」
「え?」
「……私さ、介助者にこんなこと言っちゃいけないのかもしれないけど……性欲って、なくならないんだよ」
そのとき、初めて“性的介助”という言葉がリアルな意味を持った。
翌週、真衣さんからLINEが届いた。
《お願いがあります。断ってもいい。でも、ちゃんと聞いてくれたらうれしい》
指定された日は、施設の入浴介助が終わったあと。
「……お願いしていい?」
ベッドの上で、真衣さんは少し顔を赤らめて、でもはっきりとそう言った。
「分かりました。……でも、どこまで?」
「うん。指で、触ってほしい。中は、ちょっとこわいけど……気持ちよくなれたら……」
体の自由が利かない分、彼女は肌がすごく敏感だった。
手が下着に触れると、小さく肩が震える。ショーツをずらすと、陰部はすでに湿っていて、ピンク色の膣口が、わずかにぴくぴくと動いていた。
「……ここ、でいい?」
「うん……触って……優しく……」
指をクリトリスにあてると、彼女はびくんと反応した。
「や……んっ、そんなに強くない方が……っ」
力を抜いて、優しく撫でる。上下に、ゆっくり円を描くように。
「気持ち……いい……」
彼女の吐息が少しずつ熱を帯びてきて、額にうっすら汗が浮かぶ。
「……中も、試してみる?」
「……入れてほしい」
人差し指をゆっくり挿れると、奥の方までじゅわっと濡れていて、膣内の粘膜が指にまとわりついてくる。
「っ……あ……指、感じる……すごい……」
彼女の膣は柔らかくて、体の一部というより、生き物のように指を締めてくる感覚があった。
「んっ、んっ、もっと……して……っ」
腰は動かない。でも、呼吸と声と膣の収縮で、快感が高まっていくのが伝わってきた。
「イク……かも……あっ……んんっ!」
彼女の全身がびくびくと震えて、膣が何度もぎゅうっと締まる。そこに指を深く押し込んで、彼女の絶頂を受け止めた。
「……ありがとう」
そう言ったあとの彼女の顔は、汗と涙で濡れていた。
「誰にも言えなかったけど……気持ちよくなること、欲しがること、やっぱりあるんだよ」
その日から、俺は“介助者”以上の存在になった。
でもそれは、ただのセックスじゃない。信頼と、尊厳と、身体の奥にある本能が重なった、特別な時間だった。