私は、シングルマザーになって5年が経った。夫とは、もう顔も合わせたくない。彼の浮気が原因で別れた。だけど、寂しくないと言えば嘘になる。特に、夜になると、一人でいることに耐えられなくなる。息子が横で眠っているのに、私は、ベッドの中で、一人孤独を感じていた。
日中は、会社で働く。パソコンに向かい、書類を作成し、上司の顔色をうかがう。仕事が終われば、保育園に息子を迎えに行く。夕食を作り、お風呂に入れ、絵本を読み聞かせる。息子が「ママ、大好き!」と抱きついてくれるたびに、私の心は満たされる。この子のために、私は、完璧な母親でいようと心に誓う。
でも、夜になると、私はもう一人の自分になる。息子がぐっすり寝息を立て始めた後、私はリビングのソファに一人座って、スマートフォンを手に取る。画面を開くと、そこには、出会い系アプリのアイコンが並んでいる。
最初は、ただの好奇心だった。でも、次第に、そのアプリを開くことが、私の日常になっていった。たくさんの男たちとメッセージをやり取りする。私を「母親」としてではなく、一人の「女性」として見てくれる彼らの言葉が、私の心を少しだけ軽くしてくれた。
そして、ついに私は、勇気を出して、会うことを決めた。息子を寝かしつけた後、私は家を抜け出した。向かったのは、家から少し離れた、知っている人には会わないだろう場所のバー。そこで、アプリで知り合った、私より5歳年下の彼と待ち合わせた。
彼は、見た目も清潔感があって、話し方も優しかった。彼と話していると、私は、母親であることや、仕事のプレッシャーから解放されるのを感じた。彼も、私に恋愛の駆け引きをするわけでもなく、ただ一人の女性として、私と話してくれた。そのことに、私はホッとした。
バーを出た後、私たちは、自然と彼の部屋に向かった。部屋に入ると、彼の匂いがした。息子とは違う、男の人の匂い。それが、私のどうしようもない性欲をさらに掻き立てた。
彼にベッドに押し倒された時、私は、罪悪感を感じる暇もなかった。彼のペニスが、私の中に入ってくるたびに、母親としての自分は、一旦頭の中から消え去る。
「…っ、あぁ…っ!」
声にならない叫びをあげて、私は、彼に満たされていく。彼の腰が動くたびに、私は、快感の波に溺れていった。今まで経験したことのない、魂が震えるような絶頂。私は、この快感を、もうやめることができなかった。
それから、私は、夜な夜な彼と会うようになった。彼以外にも、別の男性とも会うようになった。でも、私は、彼らに愛を求めることはなかった。それは、ただの快感を共有する、一夜限りの関係。愛を求めてしまったら、この関係はきっと壊れてしまう。私は、ただ、この快感を、この関係を、続けていきたかった。
朝になって、彼と別れて家に帰る道すがら、私は、自分の体に彼の匂いが染み付いているのを感じる。この匂いを息子に気づかれたら、どうしよう。そんな不安に苛まれながら、私は息子が起きる前に、シャワーを浴びる。自分の体に残った男の人の匂いを、必死に洗い流す。
「ママ、おかえり!」
息子が抱きついてきた時、私は、胸が締めつけられる。息子といる時は、本当に幸せだ。でも、夜になると、私はまた、孤独になる。そして、また、出会い系アプリを開いてしまう。
私は、息子の前では完璧な母親。でも、夜になると、性欲に溺れる、壊れた私になる。この二つの顔を持つ自分に、どうしたらいいのか、もう分からなくなっていた。
でも、この快感があるから、私は、母親として頑張れているのかもしれない。夜の私の顔を、息子が知ることはない。そう自分に言い聞かせて、今日も私は、母親という役割を全うする。そして、息子が寝静まった後、また、スマートフォンを手に取るのだろう。